内容説明 |
ロジンスキは1943年に、ジョン・バルビローリの後任としてニューヨークPO.の常任指揮者となるが、間もなくニューヨークPO.に初めて設けられたポスト「音楽監督」に就任する。彼はその強大な権限を行使して、コンサートマスターを含めた大量の楽員の首を切った。オーケストラ再構築の面では多大な功績があったが、芸術面での意見で経営陣と折り合いが悪く、1947年2月に音楽監督を解任されてしまう。しかしながら、ロジンスキとニューヨークPO.のライヴ音源は多く残されており、その中にこの「大地の歌」のような大作が残されていたのは嬉しい限りである。独唱者はスウェーデンのメゾ・ソプラノ、ケルステン・トルボリとアメリカのテノール、チャールズ・クルマン。1936年5月24日に録音されたブルーノ・ワルター指揮ウィーンPO.の同曲もこの2人が歌っている。トルボリはカール・シューリヒト指揮アムステルダム・コンセルトヘボウO.の同曲(1939年10月5日ライヴ)でも歌っているが、この時、観客の女性が乱入するというアクシデントに遭遇している(EVERLASTレーベルEVE-042-M)。その時の記憶が蘇った訳ではないだろうが、この日のトルボリは不調で音程も怪しい。「大地の歌」の終楽章は長丁場だけに不安は募るが、これもドキュメントである。モノラル録音。
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