内容説明 |
セル至高のライヴ録音がUHQCDで甦る。1946年にクリーヴランドO.の音楽監督に就任以降厳しいトレーニングで全米1に育てあげた巨匠セル。1957年に手兵を率いて初のヨーロッパツアーを敢行するが、地方都市の公演では「有名ソリストとの共演」を条件にされたというのもクリーヴランドO.の当時の知名度の低さを物語る。5月7日のベルギー、アントワープでの初日を皮切りに41日間に及ぶ演奏旅行。ヨーロッパ音楽の神髄をアメリカのオーケストラによって、ヨーロッパで轟かせるという当初の目的を果たし大成功を収める。ツアー後半のスイス、ルガノにおける気合十分のライヴ。シューマンの「元気一杯ながらしみじみして、陰鬱ながら開放的、思索的でありながら明朗」という作品の矛盾、作曲の不合理を全て魅力に変えてしまう棒さばきに脱帽。「海」もエッジを利かせた鋭くも華麗な名演。アンコールの「ラコッツィ行進曲」は理性をかなぐり捨てて、感性に酔った熱狂を聴衆ともども楽しんでいる感が見える。元々非常に良好な音質故に、妙なステレオ感を廃し、テープの傷を可能な限り修正しUHQCD化した。気鋭のジャーナリスト、ネストル・カスティリオーネ氏による書下ろし記事(英文+和訳付)を掲載。(代理店の解説より)
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