内容説明 |
イタリア出身のアメリカのオペラ作曲家・台本作家のジャン=カルロ・メノッティ(1911-2007)はNBCからラジオ向けオペラを2曲委嘱されるが、まず最初に書き下ろされたのが「泥棒とオールドミス」である。メノッティは、現代的なスタイルではなく、18世紀のオペラ・ブッファのセット・ナンバーの作曲方法に立ち返ることを選んだ。14の短いシーンの前にはナレーション付きの「アナウンス」があり、ラジオという媒体に合わせているが、舞台上演の場合は除外される。コミカルな内容で、音楽は実に聴きやすい。
おおよそのストーリーは以下の通り。
ミス・トッドとミス・ピンカートンという2人のオールドミスが雑談しているところに、ミス・トッドの女中のレティーシャが、男の来訪を伝え、ミス・ピンカートンは気を利かせ退出する。ミス・トッドとレティーシャはそのハンサムな男、ボブに魅了される。そしてレティーシャはミス・トッドに、男を従兄弟として家にとどまらせ、男が留まるよう金をよそから調達して与えるよう入れ知恵をする。翌日、ミス・ピンカートンは通りでに会ったミス・トッドに、脱獄囚がこの地域にいると伝えられていることを話すが、その特徴はボブと一致する。ミス・トッドはボブを追い出そうとするが、レティーシャに説得される。そして男が離れて行かないように男が欲しがる酒を彼に与えるようそそのかすが、ミス・トッドは禁酒会の会長であったため酒屋に盗みに入る計画を立てる。しかし、ボブは実は脱獄犯などではなく、ミス・ドッドなど眼中にない事を知ったミス・トッドは激怒。警察に伝えに行くが、その間、恋仲となったボブとレティーシャはミス・ドッドの家のものを盗み、逃げてしまう。警察に行かず、仲直りするため戻ってきたミス・ドッドは家が荒らされ、二人が逃げてしまったことを悲しみ、倒れてしまう。
アルベルト・エレーデがNBC SO.の1938/1939年シーズンの締めくくりにNBC SO.を指揮し、1939年4月22日にNBCラジオで初放送された。当録音はその時のもので、これが初演となる。なお、エレーデは1937年にNBC SO.を振ってアメリカ・デビューしている。モノラル録音。
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